平 成 2 9 年 3 月 1 3 日
立 川 市 議 会
議 長 伊 藤 幸 秀 殿
立 川 市 議 会 環 境 建 設 委 員 会
委 員 長 佐 藤 寿 宏
行 政 視 察 報 告
こ の こ と に つ い て 、 下 記 の と お り 報 告 い た し ま す 。
記
1 視 察 月 日
平 成 2 8 年 1 0 月 3 1 日 ( 月 ) か ら 平 成 2 8 年 1 1 月 1 日 ( 火 )
の 1 泊 2 日
2 視 察 地 及 び 視 察 事 項
視 察 都 市 名 視 察 事 項
神 奈 川 県 秦 野 市 は だ の ク リ ー ン セ ン タ ー に つ い て
愛 知 県 名 古 屋 市 な ご や 生 物 多 様 性 セ ン タ ー に つ い て
3 視 察 の 概 要 及 び 所 感
視察報告書
立川市議会環境建設委員会 副委員長 大沢純一
【日 時】 平成28年10月31日(月)10:00~11:30
【視 察 先】 はだのクリーンセンター(神奈川県秦野市曽屋4624) 【視 察 者】 佐藤寿宏委員長、大沢純一副委員長、浅川修一委員、
福島正美委員、谷山きょう子委員、江口元気委員 全6名
【目 的】 環境建設委員会としてはだのクリーンセンターを行政視察 【対 応】 秦野市伊勢原市環境衛生組合施設課・参事兼課長 栗原一彰 氏
秦野市伊勢原市環境衛生組合総務課・参事兼課長 沼崎千春 氏
【概要報告】
立川市の新清掃工場建設計画が進行している。
その計画のなかで処理方法として予定されている「ストーカ式焼却炉」を採 用し、環境省の補助事業である「高効率ごみ発電施設」として神奈川県内で初 の清掃工場である「はだのクリーンセンター」を視察した。
同センターは秦野市と伊勢原市で構成される秦野市伊勢原市環境衛生組合で 管理されている施設であるが、建設にあたっては周辺住民の理解が得られずに 完成まで16年の年月が掛かっている。環境に対する自主規制として法令規制値 を大きく下回る基準で排ガス規制を行うなど配慮がされた清掃工場を視察し、 立川市の新清掃工場建設にあたって理解を深めるための視察である。
【詳細報告】
はだのクリーンセンターは、これまで伊勢原市内にあった清掃工場の老朽化 にともない、平成25年1月に竣工した施設である。
視察では施設の概要を説明する DVD を視聴した後、担当者の案内で工場内を 見学した。
後述するが、はだのクリーンセンターの建設にあたっては周辺住民の同意が なかなか得られず、その過程において煙突から出る排ガス濃度についても大幅 な自主規制を行うこととなった。
そのため、ダイオキシンは法令規制値の 50/100、塩化水素は同じく法令規制
値の7/100、硫黄酸化物に至っては法令規制値の1/100以下という厳しい自主規
制の下に稼働している。
施設内はガラス越しごみ処理の作業が見学できるようになっている他、処理 過程を示す展示などで一般廃棄物処理について学習できる環境を整えている。 施設完成から 4 年に満たないこともあり、施設内はとても綺麗であり整然とし た印象をもった。
見学後には質疑応答が行われた。内容は別紙の資料 3 として添付するが、そ のなかで担当者から同センターを建設するにあたり、平成9年から16年という 年月が掛かったことが言及された。前述の通り、周辺住民の理解が得られなか ったためで、それは大反対運動と言えるものであったという。その間に市長が2 回も変わるということにもなり、最終的には同地で建て替えることはしないと いう覚書を定礎石の下に入れての建設となったということであった。
また、資料 3 に記載されていない質問事項として、焼却灰の処理にどのくら いの費用が掛かっているかを聞いた。
これについては、自前の最終処分場を持っており平成35年まで稼働可能であ ることや現状は 70%程度が使用されていることが述べられた上で、年間 1 億
4,000万円程の費用が掛かっているとの回答があった。
焼却灰は年間 5,500 トン排出され、そのうちの 3,200 トン、70%ほどが資源 化(セメント化)されているとのことである。
【所 感】
立川市の新清掃工場建設予定地の周辺住民が中心となって構成される「立川基 地跡地利用施設検討委員会」で前年 9 月、同センターに見学に行っている。そ の際に見学者から多く聞かれた声は、こういう施設であれば近隣にできても安 心だ、というものであった。実際に今回の視察でも同様の感想を持つことがで きた。
現在、立川市では新清掃工場の建設にあたり、大きな反対の声はない。それ は同委員会の方々の努力によるところであるが、この「はだのクリーンセンタ ー」のような施設を実際に見学していることで理解が進んだ点も大きいと考え る。
上げて建設された同センターの知識や技術を、立川市の新清掃工場建設に向け て活かしていきたい。
尚、焼却灰の処分と再利用について、はだのクリーンセンターでは平成35年 以降に現在の最終処分場が稼働できないという状況が発生する。これ以降の焼 却灰の処分費用については懸念が残るものであり、本市においても同様あるい は類似のケースの試算について検討が必要であろうと思われる。
視察報告書
立川市議会環境建設委員会 副委員長 大沢純一
【日 時】 平成28年11月1日(火)10:00~12:00
【視 察 先】 なごや生物多様性センター(愛知県名古屋市天白区元八事5-230) 【視 察 者】 佐藤寿宏委員長、大沢純一副委員長、浅川修一委員、
福島正美委員、谷山きょう子委員、江口元気委員 全6名
【目 的】 環境建設委員会としてなごや生物多様性センターを行政視察 【対 応】 名古屋市環境局環境企画部
主幹(生物多様性推進) 後藤仁美 氏 名古屋市環境局環境企画部環境活動推進課
主査(生物多様性市民協働) 岩田信也 氏 名古屋市環境局環境企画部環境活動推進課
橋本侑麿 氏
【概要報告】
近年の国際博覧会と国際会議の開催によって自然・環境についての市民運動 が大きく高まったことを背景に開設された「なごや生物多様性センター」を視 察した。立川市でも自然保護など多くの市民活動が行われていることから、今 後の施策について見識を深めるための視察である。
【詳細報告】
2005 年に愛知県内で日本国際博覧会「愛・地球博」が開催された。『人類の
叡智』というテーマのもと環境を中心としたこの博覧会が契機となり、名古屋 市内でも環境問題に対する機運が高まった。
さらに 2010 年にいわゆる名古屋議定書が採択された第 10 回生物多様性条約 締約国会議(COP10)が開催されたことで、市民協働による自然や生物の保全活 動を行う市民運動が活発化した。
そうした市民運動を支える施設として、今回視察したなごや生物多様性セン ターが翌2011年に開館した。
当施設はそれまで不燃ごみの中継施設であったものを改修・整備したもので あり、年間の事業予算は 4,000 万円弱。内訳としては、その半分(約 2,000 万 円)が嘱託職員(6名)の人件費であり、1,000万円弱がなごや生物多様性保全
活動協議会への負担金等に充てられている。実質の運営費としては年間 1,000 万円程度であるという(平成27年度)。
なごや生物多様性保全活動協議会は、地域住民と市民団体、行政が協働で生 物調査や保全活動を行うために設立されたものであるが、同センター内にその 事務局が置かれ、センター長は協議会の幹事となっている。この協議会が市民 運動を支える中心である。
さらに同センターの重要な役割として、市民参加による市内の生物に関する 一斉調査がある。これは地元でしか行えない調査で、在来種と外来種の分布を 詳細に追うものである。これによって、それまで未確認であった在来種の生物 が発見されることも少なくないそうだが、その一方で毎回確認されるのは、多 数の外来種の存在である。
多くはペットとして飼われていた魚や亀といった外来生物が、捨てられた先 の環境で在来種を捕食するなどして繁殖しているという現状がある。
例えば池に住む在来魚がボウフラを食べることで安定していた生態系に外来 魚が放流されることで、在来魚が外来魚に食べられてしまい、その結果ボウフ ラが増えて蚊の大量発生がおこってしまう、ということが起きているという。 センターではこのような調査だけでなく、外来種の駆除も行っている。
そうした環境変化が起こることにより、名古屋市内では2015年の調査で絶滅 危惧種とされる生物が 389 種にも及んでいる。これは「レッドデータブックな ごや」として公表されているが、こうした普及啓発活動も同センターの事業で ある。
また地域で専攻している学生とともに、資料としての標本作製等も行ってい る。
【所 感】
自然保護とは環境の安定化と言い換えることもできよう。住環境の整備とし ての開発行為をいたずらに否定するのでもなく、どのようにしたら環境の安定 を目指していけるのか。市民への啓発活動のあり方も含めて、立川市の自然環 境を次の世代に引き継いでいくためには、今回視察したような調査・研究活動 は大変重要であると感じた。